どのタイミングで会ったか覚えていないけれど(でも多分ホステルへ戻った時)、又しても元気に挨拶の彼に会いました。
こんなに出会うのでは、もう友達になる運命なのだと思って、一緒に少し街を歩いて、夕食にも誘ってみた。
二人で行ったレストランは、2階だったことしか覚えていないけれど、そこでもヤクを食べました。
今度は、ヤクバーガー。味も全然覚えていない。
こちらは、彼のヤクステーキ。大きい。
そして、2人でシェアしたと思われるチーズケーキ。もちろんヤクからできたチーズ。ヨーグルトよりは美味しかったような気がする。
彼は私のホステルに宿を変えていたようだったので、食後は一緒にホステルへ帰りました。
そして、今度は自分たちのホステルの2階のバーで一緒にビールでも飲もうということになった。もう階段を這って上がらなければいけないレベルではなかったので、這わずに上がって行った。
高地でお酒は危なかったと思うけど、気が付いていなかったし、何事も無かった。良かった。
バーには、日本人の女の子が2人いました。ドミトリーで同じ部屋に泊まっていたらしく、彼とは顔見知りだった。なので、合流して4人で一緒に飲むことに。
そのドミトリーには、もう一人日本人男性が泊まっていたそうです。その人はひどい高山病になっていたらしく、意識がない状態だったらしい。
その人は、中国語もチベット語も話せて、チベットへも何度も来たことがあったらしいけど、重度の高山病になっていたらしい。このように、高山病はいつなるか分からないものであり、チベットへの旅行回数の問題ではありません。
そして、意識不明だった重度の高山病のその人は、私たちがバーで飲み始める少し前に、遂に病院へ運ばれたらしかった。
それにつき、その少女2人が笑いながら言った。
「まじ、超白目むいててやばかった感じだったんですよ~」
「だけど今日病院運ばれて~」
「あたしら可哀想だったから、水買ってやったのに」
「3本も買って、〇元だったのに」
「何なのって感じ」
という会話に血圧が上がる私。
元とは、中国の通貨です。私はここでは日本円に換算して日本円の額を書いているけれど、当時は1中国元、16円ほどだった。
そして、ペットボトルの水は、チベットの高いホステルの売店でも1本5元もしなかったはず。つまり、3本買っても15元しない。日本円で、240円もしない。
この値段は間違っているかもしれない。だけど、仮にぼったくられて一本数百円だったとしても、それが何なのだ。
さっきまで死にかけてた人が病院へ運ばれて、命を取り留めているかもしれないのに、自分が払った数百円も払わずに行きやがってみたいな言い方は何だ。
人の命が助かったのなら、数千円だって安いもの。水を買わせて頂いた自分を誉と思うべき。
これが私が日本人をワースト3にも入る旅行者と思っている理由のうちの一つですが、私は基本的に、自分よりも年下の子には怒らない主義です。とはいえ、最近年を取ったので年下も年を取っているから、そのルールはあまり適用しなくなってきているけど。
でも、20代になったばかりであろう女の子に怒るようなことはしない人だった。大体、言って分かるのは、もっと小さい時と、もっと年を取ってからだろうから。
しかし、我慢ならない私は、「じゃ、疲れたから」と先に席を立ちました。これも当時は滅多にしなかったこと。
元気に挨拶の彼と一緒にいるのは大歓迎だったのだけれど、非情な少女たちと一緒にいるのは嫌だった。
この時の元気に挨拶の彼とは、今でも友達です。しかも、私は彼が大好きです。エリートでありながらもちゃんと休みを取って一人で世界中を旅している彼が大好きなのです。いつまでもそのままでいて欲しい。
年下だけど、世界中回っているだけあって、何というか、どっしりしていて、年下だっていうことをいつも忘れています。
だからこの晩の出来事は、タイトルを付けるなら、「毒と蜜とビール」かな。
旅行に行けば成長するというわけではない。成長するにふさわしい人間だけが、成長するのだ。
さて、翌日はいよいよ最終日でした。
旅行者だらけの光景に飽き飽きした私は、自分だけの場所を探しに行くことにした。