5日目③「ペトラから撤退」

水をほぼ飲まれてしまい、少し残った水も自分で飲んでついに枯渇。






そして、またロバに跨り、ポコポコ旅。






なんか、どこぞに行ってそこからそこを見ながら降りていくとか言っていた。既に1時過ぎ。昼食もまだ。






そして、自分も疲れてしまったこの子、何と私の後ろに跨って乗ってきた。

気温は40度近く、乾燥しているし、すごい日差し。疲れるのは分かるけど、客のロバに乗ってどうする。






まあ、ちゃんとしたビジネスなわけでもないし、仕方がない。私は大きなカメラバッグを背中にしょっているので、くっついているわけでもないし。






そして、2人も乗せた可哀想なロバ旅の途中、後ろでブツブツ日本人の元彼女のことをしゃべっていました。






この辺で、何故そんな話になったのか、何故ロバから降りたのか全然覚えていないけれど、値段交渉の話になりました。

最初に決めた値段でいいんだよねと聞いたら、こんなにたくさん歩いたし、君の手を引いて助けてあげたんだし、もっと多くくれてもいいんじゃないかと言われた。






やっぱりなと思う。






普通、性別を問わず年齢を問わず、誰かと知り合いになりたいと思う人は、電話番号を聞くなりメルアドを交換するなり、今だったらFBでリクエストを送ろうとするなり、「将来的に又会えるであろう手段の確保」をします。

ただただ褒めちぎったりうまいことだけ言っているような人は、大抵後でお金を要求してくるか、最悪の場合は犯罪沙汰になるかもしれません。




この子とて、お金のために働いているのであって、そこまで悪い子ではない。

でも、あそこまで歩くことは私は知らなかったが自分は分かっていたわけで、だから最初に決めた料金はそれを考慮した額だったはずです。そう言って、歩いてあげたからもっとくれと言うのはおかしいと説明した。






しかも、私の体にとってはあんな道を行くことはとてもいいことだったとは思えない。






でもまあ、いくら欲しいと言っているのか分からないので、「それでいくら欲しいの?」とも聞いてみた。

でも、何度聞いても、君が決めた値段でいいとしか言いません。もしもゼロならゼロでいいと。

つまりこれは、完全に「チップ」の発想な感じでした。「心遣い」としてのお金のことを言ってるんだろうなあと。彼の表現はおかしかったけど。






残念ながら、私はいつも現金がありません。しかも、帰る前日にたくさん現金を持っているわけがない。






結局幾ら渡したか忘れたけど、予定外の額でした。多分、5000円とかかな。全部で1万円ぐらいになった気がする。ヨルダンの物価を考えたらバカらしい。






同意した料金以上の額を請求するのは契約違反であってと、契約について1分ほど機関銃のようにしゃべったけれど、アホらしいのでやめました。

チップなら契約違反ではない。それを強要するならまた別だけど。

英語が通じただけでもありがたく思わなくてはいけない。






と、またロバに跨り出動。もちろんお客のロバに2人乗り。






そして、その「そこから降りよう」と言っていた何とか何とかに行く途中、私に異変が起きました。






「何か、耳がおかしい」






脱水症状か何か、鼓膜がおかしくなったみたいな感じでした。だから私の体を無理に動かすなというのに。

エレベーターに乗ると耳がブツッとするでしょ。あれのすごいのがやってきて、この子の話していることもろくに聞こえなくなってしまった。






何か飲まないとまずい。それで効果があるかどうか分からないけれど。






「もう(何とか何とか)とかどうでもいいから、下降りるから降りられるところまで行って」と言い、何とか何とかを諦めました。今でも何とか何とかが何だか分からん。






ところが、崖の上まで上がってきているし、どこからでも降りられるわけではなかった。

この子が降り口まで連れて行ってくれないと分からないが、良く聞こえない。






何を言っていたかは知らないが、降り口まで再び数分進んで、到着するとすぐに「じゃあね」とそちらへ急ぎました。






そこは、下までずっとちゃんと階段になっていました。途中露店もいくつか出ていたので、正規ルートというか、きっと地図に載っている道だと思う。地図は持っていなかったけど。






そして、すごい勢いで階段を下りていく途中、右側の露店でふと目が留まりました。

日本人みたいな男の子がいたのです。一緒にいたのは女性だったけど、ヨルダン人だったか欧米人だったか覚えていません。






とにもかくにも下へ降りて何か飲まなきゃいけないので、そのまま階段を降りて下に行きました。






「もしも何もなければ、チケット売り場のあたりまで戻らなければ飲み物にありつけないってことになるんだろうか」






と思って不安だったけれど、階段を下りて2,3分歩くとジュースも売っている休憩所があった。ありがたいことに、屋根もあり椅子もあった。ものすごく嬉しかった。






そこでジュースを購入。ファンタだった気がするが、水かもしれない(その2つは全然違うが)。

そして、座って休んで落ち着いて飲み物を飲むと、耳はあっさりと治りました。






良かった・・・。






すると、さっきの男の子が下りてきた。

日本人かと英語で尋ねたら、親は日本人だけど日本語は話せないと英語で返された。

彼は、ドイツで日本の親から生まれたが、第一言語はドイツ語で第二言語は英語という、国際色豊かな人でした。

休憩の間、少し雑談しました。FBでリクエスト送るねという話になって、友達になった。






その後、彼もエル・ハズネの方へ行くというので、一緒に行きました。






そこでやっと、行きは崖の上を通ってしまったので歩けなかったシークを歩いた。






やっぱりこっちの方が楽しいよな。


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