そして、バスに乗った。
サッサリへ行った。
降りたバス停も覚えている。
でも、そのバスの中からの景色が全然思い出せない。
もしかして寝ていたのだろうかと思うほど覚えていない。
でも、窓からの写真があるから、少しは絶対起きていたはずだ。
だけど、今見ても、
驚くほど、
何もない。
これではさすがの車好きも寝てしまっても不思議ではない。
さて、サッサリで降ろされたバス停は、こんなところで降ろしてどうしろと言うのだというほど中心地から離れていました。
地球の歩き方の地図にはバス停は載っていなかったと思う。普通、駅前とかで降ろすよね。何か違うバスに乗ったのかな。
さっぱりわからず、仕方がないので道行く何人かに聞きました。分かりやすくドゥオーモ(教会のこと)を選んで、ドゥオーモどこですかって。教会なら地球の歩き方の地図にも載っていたし、誰でも知っているだろうと思って。
教会へ向かう途中、やっと地図に載っている道に出たので、そこからは安心してフラフラと見物しながら歩きました。
別に何を見るでもなく、何があったわけでもなかったけれど。
公園はあったよ。
ヤシの木もあった。
サッサリは、アルゲーロよりずっと大きい町です。だけど、正直、全然面白くなかった。
雰囲気は、住宅街みたいな感じだった。どこに行ったらいいのか分からないからたまたまつまらない場所ばかり歩いてしまっていたただけかも知れないけれど、散歩すら退屈だった(住んでいる方、申し訳ない)。
そして、別に急いでいたわけでもないのに、見るものもないからあっという間にドゥオーモ到着。
小さいけどね。
ローマとかフローレンスとかみたいにはいかないか。
でも、ズームをしてみたらかわいい彫刻があった。
かわいいというほどでもないか・・・。
別に何もすることはないけれど、教会の前にベンチがあったので、何となく座ってみた。
すると、外国人が珍しいのか、近くにいたカップルにじっと見られました。「ハロー」と声をかけてみたけど無視された。
なんか、居づらいから、又散歩に出よう・・・。
あら、かわいいミニパト。こんなにかわいいミニパト、初めて見た。すごく狭い道があるイタリアならではだろうか。
こんな風に。しばらく、こんなイタリアらしい細道をくねくねと行ってみた。
途中で男性が近寄ってきて、声をかけられました。でも、何を言っているか分からなかった。やっと分かった一言は、「観光者」という単語。
「そうそう、観光者だから遊んでいるヒマないの。もうすぐアルゲーロ戻るから」
と一生懸命英語で言ってみたけれど、全然通じなかった。
しばらくついてこられてしまって困った。どうしても私をどこかへ連れて行きたいらしかった。二言目に分かったのは「家」という単語でした。カーサだから。どうやら私を家へ招待していたらしい。行かないけどね。
寄りたいなと思ったお店もあったけど、店まで入ってこられたらうるさいから、無視しながらただ歩いた。
そして、やっと退散してくれた。
だけど、なんだ。
ここはどこだ。
目印にするものも何もなく、工事中の家ぐらいしかなかったし、地図のどこだか、地図の中だかも分からなかった。
見失った自分の位置を取り戻すのに10分ぐらいかかってしまった。
何でだったか忘れたけど、もう1つ行ってみようかなと思った場所があった。だけど、行ってみたらその辺全部工事中かなんかでちっとも面白くなかったから、少し休もうとカフェを探し始めました。
だけど、カフェも見つからない。
しかも、あちこち工事中で、砂埃がうっとうしい。
入れそうなカフェが見当たらないまま、気が付いたら駅に到着していた。
何だろうこの街は。もういいか。アルゲーロへ帰ろうか。アルゲーロも田舎だと思っていたけれど、あっちのほうがずっと楽しいよ。帰りは電車にしよう。