バロンホテルへ
予約していたバロンホテルには、空港送迎サービスがあった。
カイロのホテルの多くは、空港送迎がついています。送迎どちらも無料というのは珍しいと思うけど、送迎のどちらかは無料でやっているところも多く、送迎のどちらが無料かは、そのホテルによります。
カイロのホテルを探していた時、まずは、「トイレにシャワー」という作りのものを避ける事、その上でそれなりに口コミがいいホテルを探そうと思ったけれど、もちろんなかなか見つからず、もう面倒なので、どうせ行くであろう大きなショッピングセンターの近くでバスタブがついているところを探してみた。そして、いい口コミもあったバロンホテルにしたのです。
バロンホテルでも空港送迎サービスがあり、HPでは無料とも有料とも書かれていなかったけど、おそらく有料だろうと思った。28日の予約後、メールをして、空港ピックアップを頼みたいけど、それがいくらかということ、そして、明日出発で、でも時差があるから間に合うし出発してから返信するから、このメールを読んだら送迎可能かどうか返事を頂戴と頼んだ。
十分な時間はあったと思うけど、返事はなかった。毎日メールチェックをするちゃんとしたホテルならすぐに返信がきたはず。
そういうわけで、ぼったくりタクシーに乗るはめになったのだ。
たった11キロだもの。500エジポン(約2800円)もするわけがない。
タクシーでは、助手席に乗せてもらった。運転者目線でいたいので。
空港周辺だから道も広く、車が少なくはなっていたので、ビュンビュンだった。
午前2時ぐらい、バロンホテルへ到着した時のビデオ。
500エジポンを支払い、荷物はホテルから出てきたポーターたちにおろしてもらい、一応あったセキュリティゲートらしきもので荷物検査。丁度そこにいた3人は全員英語が話せないらしく、話にならずに分からなかったけど、自分だけ先にフロントへ行く事にした。
こんな時間でも先客があり、多少待たされてしまった。2時過ぎだし。疲れたし。
やっと私の番。
私 「予約していたJunkoだけど、これ、ヴァウチャー。昨日予約したばかり」
フロント 「予約はちゃんと入っています」
私 「メールしたんだけど、返事なかった。空港送迎頼みたかったのに、お陰で500エジプトポンドも支払わされたじゃない。メールちゃんと確認しないの?」
フロント 「してるよ。おかしいな。お詫びに空港行きのシャトルをサービスするよ」
後で知ったが、空港行きのシャトルは最初から無料だ。
私 「ここから空港へ行くんじゃないの。ピラミッドへ行って、その後はまだ決めていないの。どこに行くか分からないから、空港へ送るのはいらない」
フロント 「そうですか。でも、お部屋はアップグレードしてあげる」
こんなについていないじゅんこさんにいい話が来た時は要注意だ。
私 「そう。スタンダードとかなんとかだった気がするけど」
フロント 「デラックスにしました」
実際、違いが何かは分からないが、多分、部屋の位置な気がする。
水回りについていない典型的ケース
デラックスとやらは、突き当りの部屋だった。
死ぬほど寒い部屋だな。
誰も使っていなかったからかなと思ったけれど、暖房を入れたらすぐ暖まるだろうと思った。
なるほど、夜だから分からないけど、あの建物が見える部屋の写真が確か口コミにあったな。本当は綺麗な夜景だから、暇だったら写真を撮りに行こうと思っていたんだ。ライトアップはもう少し早い時間で終わるのかな。
部屋に入っても、大抵はポーター君を待たせます。ポーターがいなくても、一番最初にお湯をチェックする。水回りに運がないので。過去、何度となく苦しめられた。裸になってからでは致命的なので、先にお湯を出して確かめなくては。でも、この時は、久々海外でウラシマタロコだったので、待たせるのを忘れて帰してしまった。なので、完全セルフチェック。
お風呂は、エジプトでは珍しくバスタブがあり、
シャワーは固定式ではないので、自分で動かせる。タオルも十分。
トイレットペーパーは少なそうだけど、海外ではそんなもの。
部屋の広さもそれなりで、スーツケースを広げても十分だな。
そこでお湯を確かめようとして出したらちゃんと出たけれど、シャワーになっていたようで、頭から水をかぶってしまった。
寒い。
もうついでだからシャワーを浴びようとして、さっさと脱いでシャワーを浴びた。
そしたら、どうでしょう。
自分が体を洗ったお湯でお風呂に入れるのではないかと思うほど、排水してくれない。どんどんたまっていくばかり。
そうきたか。
排水問題も水回りの不運のうち。一番ひどかったのは、中国の広州のホテルかな。
髪も洗っていない程度のシャワーでこれだけ湯船にお湯をためられては、まともなシャワーはおろか、お風呂を入れたらいつまでたっても排水されないではないか。
これは部屋を変えなければいけないと、フロントに電話をすることにした。
水で濡れた髪は乾いておらず、部屋は死ぬほど寒いまま。
私 「シャワー浴びたんだけどさ、流れないんだよね」
フロント 「え?」
私 「流れないの。水がね、たまっていくの」
フロント 「すぐ人を行かせます」
私 「来てもらってもダメだと思うけどね。部屋変えて」
フロント 「空いている部屋、探してみます」
時刻は2時40分。スーツケースに荷物を戻さないといけないか。面倒だなもう。
誰か来るならドアを開けてロックを出しておこう。
何で落ちるのだ。
このロックを出したままドアを閉めるとひっかかるので閉まらず、誰かが来たら声をかけやすい。そう思って触ったらそれだけで落ちてしまった。
何もなくなったぞ・・・。
このロックは、ないと困る。鍵は、ハウスキーピングが開けられる。勝手に入ろうと思っても、ロックがあれば入れない。泥棒防止にもなるし、女性一人なので、セキュリティの面でも毎回ロックはかけている。壊れ品人生も長いが、壊れロックは初めてだな。
私 「あのさ、さっき電話して、部屋変えてって言ったんだけど」
フロント 「すぐ誰かを行かせます」
私 「それは聞いたんだけど、そうじゃなくて、今新たな問題を発見したんだよ。このホテル、相当古いでしょう。ドアのロック、壊れちゃったよ。だから、ロックかからないよ。危ないから絶対部屋変えてね。荷物運んでくれる人をすぐ呼んで」
フロント 「分かった。すぐに行かせるから」
それから10分近く待ち、男性2人がやってきた。まずロックを見せてこれを直してねと言って、風呂は水をためないと分からないから自分でやってみてと言い、荷物をカートに乗せてもらい、部屋を移動することに。
到着したのは、もう1つ下の階の突き当りの部屋だったかな。あの建物が見えたけど、もうあんなものに拘らないでまともな部屋にするよう心がけるだけで良かったのに。
新しい部屋なら運があるわけではない
移動後にお湯をすぐチェックしたけど、ちゃんと出て、排水もそれなりに大丈夫だったので、この部屋への移動で承諾した。
ただ、カーテンが閉まらなかった。髪留めでカーテンを挟んでみたりしたけど、二重カーテンでどちらも多分遮光だったので、それはまあいいかと思った。
そして、あまりに寒いので、この壁のエアコンのコントローラーは暖房のためかと聞いたら、コントローラーで温度を上げられるけど、館内暖房設定をオンにしていないので、つければクーラー同然のただの送風だとのことだった。
バロンホテルは、2泊予約して、合計216.32USDで、29368円だった。1泊14684円だ。暖房サービスを提供しないほど安いホテルではないと思うぞ。
しょうがないから、寒いからポータブルヒーターを持ってきてほしいとベルに頼んだ。
そして、このベルの彼が出ていった後で鍵をかけようとしたら、閉まらなかった。ロックはかかったけど、鍵は、出すと壁側の穴に入って閉まるようになっているけど、曲がっていたのでちゃんと入らず、閉まらなかった。
鍵がかかりロックがダメなのと、ロックがかかり鍵がかからないのと、どちらがいいのか。
ドッチデモイイヨナ
さすがは私の旅行だ。
時刻は3時。氷ホテルのように寒いまま。
とりあえず、又スーツケースを広げて寝支度をした。
数分後、ポータブルヒーターを持ってきてくれたけど、ただのセラミックヒーターだった。絶対に暖かくならないだろうと思った。最低でも数時間かかるし、それでも大した事はないはず。見れば分かる。
ファンヒーターはないかと聞いたら、ないと言われた。
まだつけてもいないのにきかないよとも言えないが、絶対にきかないよと断言をしておき、とりあえずその場はただ電源をオンにしてベルを帰した。
そしてパジャマに着替えて布団に入ったけれど、寒くて眠れない。
こんなに寒い部屋にいるのはいつぐらいぶりか。生まれて初めてかもしれないな。
というわけで、またフロントへ電話した。
私 「あのね、セラミックヒーター持ってきてくれたけど、やっぱりこれ、きかないんだよね。ものすごく寒いんだけど」
フロント 「だけど、館内の暖房はないし、それしかないです」
私 「ファンヒーターがないって本当なの?」
フロント 「ないんだ。それしかない」
私 「せめて、ブランケットかなんか持ってきて」
フロント 「ブランケット?」
私 「そう。これ、布団でしょう。布団じゃなくて、ブランケット」
シーツと布団カバーは、最高の冷感商品かというほど冷たかった。
それはそれはひんやりしており、夏に日本で販売したらさぞかし売れるであろうものだった。
普通、布団に入っていれば体が温まっていくだろうけど、どう考えても私が私の体温で布団のほうを温めていた。触れるだけで冷たいのでどんどん寒くなっていった。
寒くて体を真っすぐにすることができず、寝ながら体育座りをして体育座り寝の姿勢で布団の中にいた。体が接する面を増やせば寒くなるだけだから。
せめて、毛がある毛布でもあれば、多少は違うのだ。シーツと布団カバーの冷感にはさまれているので、布団カバーの下にブランケットがあれば、冷たくないから、体も温かくなっていくはず。
フロント 「ブランケットはありません」
えええええええええ!
ブランケットがないホテルってあるの!!!!!
私 「ない!?ブランケット、ない!?」
フロント 「ないんだ。布団だけなんだ」
私 「・・・。ちょっと、寒くて眠れないんだよね。何かないわけ?」
フロント 「うーん。探してみる」
そして、布団の中で体育座り寝をしたまま待つ事数十分。
良くあることだが、無視されたらしい。
じゅんこさん、朝方に切れる。
私 「電話してくんのかしないのか!!」
フロント 「え!?」
私 「探してみるって言っただろうが!待ってんのにちっともかかってこないぞ!1時間も待たせるな!どういう事だ!私が布団を温めているが、何でなのだ!凍えてカゼ引いたらどうしてくれるんだ!こんな数十年前のセラミックヒーターもってきても全然きかないじゃないか!ブランケットもないし、電話すれば適当な事言ってかけ直してこないし!寒いって言ってるだろう!何とかしろ!」
フロント 「わ、悪かったよ。すぐ誰かを行かせるから」
私 「来なかったらどうする!」
フロント 「ちゃんと行かせる。ちょっと待ってて」
私 「もう1時間も凍えるように待ったんだから、すぐ来なさいよ!」
もう、本気で歯がガクガクするくらい震えていた。
その後5分ぐらいでベルが来たけど、ちゃんと喋れず、震えしゃべりをするぐらい凍えていた。ホッカイロを持って行っていたので体に貼ったけど、とてもまだまだ寒かった。何せ、布団の中が寒いのだ。
そして、ベルは、もう一台セラミックヒーターを持ってきた。
私 「それはいつのなのよ。先に持って来ているこの1台は数十年前のやつでしょう。ホコリはすごいし、全く暖かくないし」
ベル 「こちらの方が暖かくなるかもしれない」
私 「こんなもの二台あったって大して暖かくないでしょうが」
ベル 「それから、これ」
と言って、もう一枚布団をもってきた。
私 「布団じゃダメだって。冷たくてしょうがないから」
ベル 「これで2枚になるから」
私 「2枚でも1枚でも変わらないから。接する面が冷たいんだから、ブランケットをかけたかったの」
ベル 「だけどほら、1枚ではダメでも、2枚なら大丈夫かもしれないから」
実家は3匹の子ブタの親戚かなんかか。
私 「まもういいよじゃあ」
ベル 「ここで休んだままでいいよ。僕たちはそのまま出ていくから」
私 「ダメなんだよね。鍵壊れてるから閉まらないの。ロックしかかからないの。だから私が内側からかけないとダメ」
そして、鍵を見せ、もう部屋は移動しないけど、壊れてるから直しなさいと言って、帰ってもらった。
時刻は朝4時半。
その後も体育座りのままだった。
朝6時に日本から仕事の電話があり、「すいません、日本にいませんので」、という感じで断ったけど、その後もろくに眠れなかった。
待っていたのは、昼間になり外の気温が上がること。多分窓が隙間だらけだったと思うので、外の気温が上がれば、多少は良くなるだろうと思った。
そして、数十年前のセラミックヒーターも、5時間以上つけていたら気温を2度ぐらいは上げてくれるはず。
もう、昼がくるのを待つしかない。
明日はシムカードを買いに行くのと、カレンミランの様子見に行くのだ。それ以外の時間は翌日からのホテル探しに使わないと。
そう思って、ひたすらウルトラスーパー冷感布団の中で体育座り寝をして時間が経つのを待ちました。