2日目④「うざいなお前」




おなかペコペコ

朝食の後、何も食べていなかったし、お腹がぺこぺこだった。

かぜをひいてしまったのかもしれないから、栄養をつけないといけないし、お腹いっぱいになるまで食べよう。






何かこう、温かいものが食べられるところが良かった。「今こそラーメン」と思ったけど、地図がないので、ラーメン屋どころかどこに何があるのかさっぱり分からず、レストラン街とかそういうグループ分けをしていないようだったので、ただただぐるぐる回る事になった。






フードコート的なものがあるような気もしたけれど、

ちゃんとしたものが食べたいの。






先にスーパーを見つけちゃったけど、スーパーは帰る前に行くの。






まともそうなイタリアンがあったけど、きっとファミレスに違いない。エジプトでイタリアンもどうかと思うし、他を探そう。






でも、他に良さそうなレストランがない上に、ラーメンもエジプト料理レストランも見当たらないし、だるいし寒いなと思った時、「イタリアンにはスープがあるかも」と思った。

そういうわけで、スープ目当てにイタリアンに戻ることにした。






なんでこんなに手振ればかりしているのか分からないけど、突き当りのレストランです。時刻は16時44分。








人生最高のアラビアータに出会う

「一人だよ」と言って、寒いから中の席にしてと頼んだ。どちらも屋内だけど、店内の方が温度が高い気がしたし。






まず、スープを見たら、トマトとマッシュルームとシーフードがあった。クリームの気分ではないのでマッシュルームはパス、ムール貝はアレルギーなのでシーフードはパス、選択肢として、トマトしか残らない。一番安くていいじゃないか。






それで、パスタでも食べるか程度のつもりで見てみた。ナポリターナとか、ボロネーゼとか、アラビアータとか、定番が勢ぞろいだった。アラビアータは好物だけど久しく食べていないので、やっぱりこれも、それにしようかな程度のつもりで決めた。でも、普通アラビアータはペンネなので、いつものようにスパゲッティに変えてもらうことにした。それと、トッピングでチキンかエビを頼めるようだったので、パスタだけじゃお腹がいっぱいにならないから、特にアラビアータはいつも具が殆どないので、チキンをつけてみた。お腹ペコペコだったからね。






注文した後、おしぼり的なものが欲しかったので、何か手を消毒するものをと言ったら、ドスンとこれが来た。入れ物は大きいが、中身はほぼない。








待つ事数分。






寒くてしょうがないし、早くトマトスープをもってきてと思っていたけれど、アラビアータが先に来てしまった。






次に来たのもまだスープではなく、水だった。






アラビアータでいいか程度だったアラビアータを食べたら、期待なんて全然していなかったただのファミレスだと思ったこのイタリアンレストランで、人生最高のアラビアータに出会ってしまった。

料理がうまいとか、そういう事もあるのだろうけれど、この場合、とことん私の口にあったアラビアータだったのだと思う。まず、スパゲッティの太さが良かった。そして、麺に味がしみ込んでいた。これは初めてだったと思う。いつも、麺が浮いているというか、味がしみ込んでいないので、口の中で麺とソースという2つが入っているだけみたいな感覚だったから。

それから、この辛さとトマト。辛すぎなくて丁度いいぐらいだけど辛く、食べるのが嫌になるほど辛いわけでもなく、でも辛い。

本当にものすごく美味しくて、これほど味がしみ込んでいて量が多いのなら、チキンもいらなかったかなぐらいに思った。

そう、量が多かったのだ。この時はまだ自信がなかったけど、後から気が付いた。






夢中になってアラビアータを食べながら感動していたら、量が多くてお腹がいっぱいになったので、これはもうスープは来そうにもないからキャンセルしようと思い、店員にそう言ってみた。

そしたら、やっぱりもう作り始めていたらしく、キャンセルできないと言われた。遅くなって申し訳ないと。それならそれでいいよと言ったら、お腹もいっぱいになった頃、トマトスープがきた。






これもまた美味しそうだ。

パンはただのおまけだけどね。

スープ、美味しかった。注文してから作ったレベルではないように思った。どうやったらこんなにコクのあるスープをすぐ作れるのだろう。






そして、アラビアータにはかなわないけれど、スープにも満足して、エジプトでの1食目を終えました。

値段は、アラビアータとスープとお水の合計277.07エジポン。1553円。日本で頼んだらもっと高いね。倍以上かな。











晩御飯に満足して買い物へ

食べたので少し温かくなったから、この体温のままで買い物をしてこの体温のまま帰りたい。

早く行こう。






まず、コロナのセルフ検査キットを買わないといけない。

日本では特殊なドラッグストア文化が出来上がっており、薬の他、化粧品などもある上、シャンプーなどの生活用品や、台所用品まで売っている他、お菓子やジュースまである。

海外ではそうはいかない。






どんな薬局かは分からないけれど、薬局はどこかとその辺の人に聞いて、行ってみた。






写真は撮っていないけど、見た目、日本でいうところの処方箋薬局みたいな感じのところだった。ここならコロナ検査キットがあるだろうなと思ったけれど、その代わり、その他の薬局用品、女性用品とか化粧落としとかはないだろうなと思った。






入ると予想通りだったので、お店を見る事もなく、店員にコロナのセルフチェックのキットはあるかと聞いてみた。多分、PCRと間違えられたような気がするけれど、検査に行ってどうのこうのとか言っていたのだと思う。自分でやるものだとジェスチャーつきで説明したら分かってくれたようで、あるよと言われた。

奥から持って来てくれたのは、抗原検査キットのセットで、1150エジポンだと言われて、高くて驚いたし。5個入っているとのことだったけど、物価の安いエジプトでもこれだけはそうもいかないのだなと思った。

バラで1つ売ってあげないこともないけれどと言うので、長期旅行だし、1つ買ってもしょうがないから、コロナ時代的出費を受け入れる事にした。

そしてもう一つ、体調が悪いので熱が出るかもしれないと思ったため、体温計を買った。そちらはたったの40エジポンで、200円ほどだった。






日本円で合計6584円。自己責任の一人旅だから、しょうがないね。






17時31分、よし、やっとスーパーへ行けるぞ。






ところが、ここで又ウラシマタロコになっており、写真を撮っていません。動くたびに写真を撮るという旅行記を書くための習性が戻ってきておらず、普通に旅行者として買い物をしてしまった・・・。

しかも、何を買ったか良く分からない。合計で51.2エジポン(284円)で、4点ほど買っています。ジュースとかと、女性用品を一つ買ったと思ったな。レシートがアラビア語だから、さっぱり分からないんだよね。






買い物はほんの20分ぐらいかな。17時54分にはもう外へ出ていたので。











エジプト独特の癌

さて、タクシーを探さないと。Uber、ダメだからな。誰か、私のためにアプリでタクシーを呼んでくれる人を探さないと。






というわけで、シティスターズの出口に立っていた男性に、Uberを持っているかと聞いてみた。タクシーを呼びたいと。男に頼んだのがそもそもの間違いだった。

タクシーならそこにいるよと言われたけれど、エジプトのタクシーは、上にタクシーマークがないから何だか分からないのね。その上、来る時にはホテルお抱えタクシーで50エジポンだったから、それより安く帰りたかった。

この男子がUberを呼んでくれたら良かったけれど、丁度そこにタクシーがいたので運ちゃんが来ちゃって、いくらだと聞いたら、60とか言ったのかな。80だったかも。

来る時は40だったから帰りも40じゃなきゃ乗らないと言うと、60(か80)で決まってるんだと言われたから、私も40で決めてるんでそれ以上出さないからじゃあいらないと言って離れようとしたら、40で承知した。

というわけで、40エジポン(約224円)で手を打ち、来る時のホテルお抱えの50よりは安くなりました。






日本円にすると少額かもしれないけど、現地にいると、現地の感覚と半々になっていきます。物価に合う感覚が芽生えてくる。なので、10でも、日本円に換算すれば安いけど、タクシーでの10はそれなりの違いだという感覚が生まれています。

そういう問題ではなく、ぼったくられるのが嫌いなだけだけど。






17時58分には乗車。







すぐに動画を撮った。何となく。









動画をやめると、このドライバー、英語もろくに分からないのに、カタコトの英語で私に話してきた。

安くしたのには理由があったらしい。






ドライバー 「ドコ」

私 「ああ、東京。日本」

ドライバー 「ソウカ ウェルカムウェルカム」

私 「ありがとう」

ドライバー 「ワタシノ マザー マザーマザー」

私 「お母さんね、どうしたの」

ドライバー 「キャンサキャンサー シッテル?」

私 「キャンサー(癌)?」

ドライバー 「ソウ ガン スキンスキン ワカル?」

私 「スキンね、皮膚がんなの?」

ドライバー 「アタマアタマ」

私 「頭部に癌?」

ドライバー 「スキンスキン ガンガン」

私 「頭皮に癌?」

ドライバー 「ソウ」






何なんだよ頭皮に癌て。






ドライバー 「タイヘン マザーノタメニ オカネクレ ソシタラオレハシアワセ イクラデモイイ クレタラシアワセ マザーマザー アタマノヒフガン ガンガン タイヘン マザーノタメニクレ アメリカドルデ100カラ 100デイイ」






うざいなお前。どっから見ても60近いか過ぎているが、そもそも母親はまだ生きているのか。

そして、何だよ頭皮の癌て。せめて膵臓癌にしておけよ。

想像つくけど、結局、「スキン」という単語が簡単だったこと、「ヘッド」という単語も簡単だったので、何だかそれをくっつけたのだろうけど、どっちか一つでいいと思う。






私 「何で私が会った事もないあんたの母親が癌だとお金をあげなきゃいけないわけ?あんた私にとって何なのよ?」

ドライバー 「イクラデモイイ マザー カワイソウナタメ オカネクレ アリガトウ アメリカドル100ドルカラ」






何故いくらでもいいと言いながらアメリカドル100以上と指定するのだ。

英語力はほぼなく、私の言っている事は殆ど理解できない。返事などせず、ただ自分が覚えた文章だけを続ける。






ドライバー 「マザー アタマヒフガン イクラデモイイカラクレタラオレハシアワセ カワイソウマザー アメリカドル100デモ200デモイイ」

私 「自分の母親でしょう?」

ドライバー 「ソウ マイマザーマイマザー」

私 「子供なら、自分で何とかすれば?」

ドライバー 「マイマザー アメリカドル100ドルカラ」

私 「知らないって。タクシー代の40以上、私は払わない。母親は自分で何とかしな。手術したきゃ医者に頼みな」

ドライバー 「キャンサ(癌) キャンサ スキン カワイソウ」

私 「そうだね。私の父親も癌だったよ」

ドライバー 「ソウカ カワイソウ」

私 「死んだよ」

ドライバー 「・・・・・・。」

私 「あんた、死んだ私の父親にいくらかくれる?」






さて、分かったのか分かってないのか。一瞬黙った気がしたので、分かった気もした。

ところが数秒後には又始まり、まあ、数分間、到着するまでたっぷりとやられた。






この男の英語レベルで、「Cancer(癌)」という単語を知っているのは不自然。初等英語教育で習う単語ではない。自分で調べている。そして、他の英語はさっぱりなのに、レベルは低いけれど、金をくれという部分だけは意味が通じるようにちゃんと成り立っている。そして、通貨に指定が入っており、アメリカドルだ。エジポンと交換時にレートがいいから。

慣れている。相当な回数やっていると思う。

そして、こいつの母親は死んでいる。儒教じゃなくても、宗教色の強い国では、親に関して不謹慎な事を言う人はまずいないはず。親が生きているのに病気だの死にかけだのと言って本当にそうなったら大変なので、生きていたらまず言わない。母親が生きている時、こんな人間が何を言うかと言うと、存在しない兄弟を作り、妹が病気だとか言うはず。特に男子は母親に愛着がある。癌だなんて言えるとは思わない。宗教関係なくても、心ある人間なら、愛する親を病気にはしない。だから、母親はとっくに死んでいるはず。






この男は、いかにも幼稚であり、小学校程度の脳なだけで、危なそうとか、そんな感じではなさそうだった。でも、タクシーの運転手に旅行者が殺されるというケースもあるため、何かされてはいけないから、一応防御をしておこうと思った。

私は、落ち着いてはいたけれど、言った内容は大分きつい。しかも、お金をくれそうにない。過去にこれで何度も成功していたら、相当しつこくくるかもしれない。咄嗟にバッグを引っ張ったりとか、何かするかもしれない。私は又助手席に乗っている。こいつのすぐ隣だ。後ろならまだ逃げやすいけど、隣ではすぐ髪の毛を捕まれる。女性への暴力に慣れた男は、女の髪を持って引きずり回す。殴り倒した後に髪の毛を掴んで立たせ、又殴り倒しの繰り返し。

ショートだったけど、ちょっと伸びてきちゃったからな。






とりあえず、買い物袋を2つと自分のバッグを持っていたので、一気にバッグを持って逃げられるよう、買い物袋を一つにまとめ、左手でもった。左ハンドルなので、私が右側にいるから、右手でドアを開けるので。幸い、マイバッグはパプアのビルムだ。両肩でかけて使うから両手があいている。カメラを取られてはいけないので早くしまい、到着の瞬間を待った。

到着したら、財布を出す前にすぐにドアを開ける。この車はものすごく古い。運転席に全てのドアのカギを閉めるボタンがついていないようなので、運転席でコントロールされて私がドアを開けたらすぐ閉められるという心配はないと思う。ドアを開けたらすぐ右足を出して、閉められないようにしよう。少しでも開いていないと、私の叫ぶ声が聞こえないし。






バロンホテルへ到着する瞬間にすぐ開けられるよう、鍵を開けておき、ドアに手をかけていた。ホテルの入り口にはポーターがいたから、すぐ呼べる。

そして、到着した瞬間、さっと開けて、右足を出し、そのまま1秒で降りた。財布は外で出して、40エジポンを外から支払った。






面倒臭いなあもうこういうの。

もっと緊張感なくタクシーに乗らせろよ。






でも、これが、女性が一人でいるという事の現実です。

フラフラしていると何をされるか分からないと思っていたほうがいい。











やっとちゃんと眠れる

18時10分前にはホテルに着いたと思う。






抗原キットを開けてみた。18時25分。






先に熱を測ってみたけど、ボワボワしていたので、やはり若干微熱があり、37度近かった。

これはもう、やっと直った浴槽の温かいお風呂に入って早く寝て体力を戻さないといけない。コロナじゃなければ。






抗原検査は陰性。やはりただの寒い場所にいさせられて体が冷えて体力落ちただけの感じだ。良かった。






そして、湯船にお湯をはり、日本から持って行っていた入浴剤を入れ、ゆっくりと体の芯から温めた。






やっぱりお風呂はすごいと思った。夜の寒さが違った。体が温まったから、ものすごく楽になった。

それから、ベッドでこのサイトを更新。






3日分眠らないといけないので、夜10時前には寝たのかな。

ものすごく良く寝たと思う。






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-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

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