コロナワールドになり、もう二度と海外に行けないかもしれないとまで思っていた私が、ついに、5年ぶりに海外へ行こうと思い、行き先をエジプトに設定し、元旦をピラミッドという神秘的な世界遺産のそばで過ごそうと思っていたら、実質たった2日程度で切れてエジプトを出ようと思い、本当に出てしまい、その後タイに行ってしまうまでのお話です。
コロナのお陰で一度は海外など無理なのだろうと諦めていた事もあり、これからは、人生のうちで、行き残している場所に行こうと思っていた。
でも、コロナもおさまりつつありそうな感じで海外に行けると思った時、選べるほどの贅沢はなく、まず調べなければいけなかったのは、ワクチンパスポートなしで行ける国かどうかでした。
私は一度もワクチンを打っていなかったため、当時は、ワクパスが提示できないとPCR検査をしなければならず、日本でのPCR英語証明付は、最高で3万円ほどであり、国によっては5日分ぐらいのホテル代や10日分ぐらいの食費になるであろう金額だった。しかも、72時間前までにPCRを受けるわけだけど、万が一陽性であれば渡航ができず、その時点でフライトやホテルなどを予約していたら全てキャンセルしなければならなかった。だったら最初からワクパス不要な国にいくべきで、キャンセル無料なフライトなら完璧だ。
というわけで、スカイチームのマイルフライトは、キャンセル料無料、変更料無料だったので、願ったりかなったりでした。万が一直前にコロナに感染してもキャンセルできるわけで、その国の入国制限が厳しくなった時でも簡単に行き先を変更できるわけで、それほど自由度が高いフライトを購入すると数十万円では済まないかもしれず、それが全て無料だったので、安心して予約ができた。
ところで、今回の旅行は、日本ではない国で一人で年を越すという新しい経験と課題、そして、一人になった私が一人になって初めての海外旅行をどのようなものにするのか知りたいという、まるで他人事のような大きな期待もあった。前者はエジプト記、後者はタイ記での課題でした。
両親も死に、家族がいない私は、元旦に家にいる必要がなかった。大晦日と元旦は、家族のもの。一番大切な人が誰かを教えてくれる時。親がいたら親のところへ行く。どんなに仲が悪くても、家族だから。親も子供もいなくても、どんな尻軽男でも、妻の元へ帰る時。愛する人のところへ帰る時だから。
私は元旦に自宅にいる必要はないけれど、元旦が父上の誕生日だった事から、他界後も元旦に家を空ける事に対して気が引けていた。でも、もう家族どころか誰もいない証拠として、日本にいてもろくな事がないので、行ってしまおうと思った。そして、素晴らしい元旦を過ごそうと。
では、そんな、元旦にふさわしい国って、どこか。
子供の頃に憧れたクレオパトラがいたエジプト、そして、神秘的なピラミッドは一度は見ておくべきだと思っていたけれど、大人になるにつれて、特に海外に行くようになってからは、エジプトはうざい国トップ3に入るであろう事が分かっていたため、行こうとも思わなくなっていたし、飛行機代を払ってまで行くなんて考えた事もなかった。
だけど、「年が明けて一番に目にするものがピラミッドである」というのは、スピリチュアルですごくいいのではないかと。
飛行機代が無料なら。
そして、毎回旅行記を書くにあたり、その国に行きたくないと思わせる書き方はしないようにと心がけていた私が、ついにスカッとザックリ書かざるを得ない結果となる旅行となった。その上、相変わらず水回りに運がない私を思い出しながら、これでこそ私の旅行だなと思わせるものとなったような気もしている。
では、5年ぶりの海外旅行であり、9年ぶりの車なしの旅行記を、どうぞ。
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