アウトレットへ行くはずが
最初にセットしたのは、シルカホテルの近所の「MOアウトレット」で、シルカホテルのHPの「Shopping」をクリックしたら載っていたアウトレット。多分ガイドブックには載っていないんじゃないかな。
マレーシアのローカルブランドが入っていることを期待していた。
動物園からは20キロぐらいのところ。
両脇に路駐がびっしりでUターンをするスペースもなかったので、直進して最初の道で曲がってUターンをするつもりだった。
出発して数十メートルで左折ができそうな道があったのでそこで曲がろうと思ったら、急にその道から車が出てきた。
なので、危ないから、クラクションを鳴らそうと思ってハンドルの真ん中をパンパンと叩いた。
その車のドライバーは、こちらを見てから私に気が付いた。
一方私は、急ブレーキをかけてハンドルを切りながらその車を避け、道を通り過ぎた。そして、急に出てきたその車が行ってからバックでその左折の道路に入ってUターンをした。
急に出てきたその車はもうどうでも良く、急いでUターンをして、早く停まりたかった。大変なことに気が付いたので。
今、クラクション鳴らなかったよね・・・。
Uターン後に路駐して、おそるおそるハンドルの真ん中をもう一度パンパンと叩いてみた。
鳴らない。
今度は、イライラしながらパンパンではなく、「バンバン」と叩いてみた。
やっぱり鳴らない。
そして、むしろ殴っているとしか見えないほどすごい勢いで「バババババババン」と叩き続けてみた。
鳴る兆しもない。
私のクラクションが鳴らないのだから、さっきの車が私の車に気が付くのが遅かったのも無理はない。
なんて納得している場合ではないけれど、急に出てきた車でも充分避けられる速度だったから良かった。
このクラクション、どうしたのだろう。
だけど、カチカチは生きているみたいだ。
カチカチって何
カチカチって何だろうな。
日本語のみならず、英語でも知らなかった。
帰国後に調べたところ、これは「リレー」と言うものらしい。思いっきり英語じゃないか。車用語はほとんど英語だけれど、これも英語だった。勉強不足。
とりあえず、カチカチに悩む前に、放っておこうかどうしようかを先に数秒考えた。
クラクションが鳴らなければ、車検は通らないはず。車検が通らなかった車の走行は車検がある国では道交法違反なはずなので、だとすると、私は今違法運転か。
レンタカーなんだから、一応最後の車検は通ったのだと思う。だから無車検車ではないだろうけれど、この国での車検項目も何が違法なのかも私は知らない。
おまけに、この車で事故を起こしたとしたら、クラクション故障車は整備不良車だろうけど、整備不良の車を運転して事故に遭った場合でも保険がおりるだろうか。おりたとしても、過失割合算定の際にかなり不利な可能性があるな。それでも保険が使えればまだいいけど。
とか言う以前の問題で、整備不良の車を借りて乗り続けていることは間違っていると思う。
でも、もしもこの国でクラクション故障車が整備不良車でなかたっとしても、クラクションというのは、本来、「危ないですよ」と相手へ知らせるために鳴らすものなはずだし、この車で走るのはリスクが大きい。
こんな、おそらく日本人が「運転の荒い国」と呼びそうな場所で、びゅんびゅん車が出てくるのに、クラクションを鳴らせないまま何百キロも先のジョホールバルへ行くなんて。
と、書くと長いけど脳内では数秒で済んだことを悩み、「それで、じゃあ車を直すの?」という次の問題へ進んだ。
そこからは1分ほど熟慮。
何せ、クラクションの構造が良く分かっていなかったので。
私はただの運転狂いで、走れば良く、整備に興味はあるけれどほとんど知識は無く、運転していたらついてしまった知識しかない。
クラクションは、その昔、マイトヨタ車のチャラいクラクションの音が嫌で、ちょっと交換しようかなと思ったことがあったので、何か違う音にするもの(ホーン)があるということは知っていた。だけど、壊れたこともなかったし、結局何だか良く分からないまま過ぎてしまった。
そんな私が、今現在、海外で、初めて来た国で、初めて運転した国で、クラクションが鳴らずに困っているが、どうするか。
分からないなりに、想像の仮説で組み立ててみた。
① クラクション(ホーン)は、もちろん車内にはついていない。車内だったらうるさくてしょうがないだろうから。
② クラクションの音は、前から聞こえているのだから、エンジンのあたりにあり、ハンドル付近ではない。
③ だけど、鳴らすのはハンドル。だから、ハンドルからエンジンルームまで配線で繋がってる。
④ そしてその鳴らすハンドル部分はカチカチと言うので、作動している。強く押しても何度やっても鳴らないのだから、接触不良ではない。だから、カチカチ自体はきっと故障してない。
⑤ じゃあ、エンジンルームのホーンか、そこまで行く配線がおかしいかのどちらか。
⑥ あれ?でも、電力が要るよね。ヒューズボックスはどこ?まあいいや。ヒューズが飛んだ気がしないし。飛ぶ理由が分からない。バッテリーは上がっていないし、上がっていなくても飛ぶとしても、何をそんなに電力を使った?全然ヒューズな気がしないから、それは脇に置いておこう。
そして、結局私が懸けたのは、「配線」だった。おかしいのは絶対に配線だと思った。他に色々と考えられることもあっただろうけれど、どうしても配線な気がして仕方がなかったので。
何で鳴らない原因を想像したかというと、私にとっては、「すぐに車が直せるのか」ということが重要だったから。それによっては今後の予定が大きく違うので。
直しなよ
小さなレンタカー屋だし、サイズもコンパクトだし、年末のしかもクリスマスだし、すぐに交換できる車が残っている可能性は低い。だから、違う車に交換するというよりも、この車自体を直すことになるほうが確率が高いはず。
となると、すぐに直せる部分の故障であるかどうか(部品がすぐ手に入る部分の故障であるかどうか)が大事。
ホーンであればどこの田舎の整備工場にもあるような物ではないだろうけれど、配線なら、よほど特殊なものでない限りはどこの修理工場にもあるはず。ヒューズもあるだろうけれど、ヒューズだとしたら、ヒューズが飛んだ理由が他にありそうなので、もっとちゃんと調べなくてはいけなくなるかもしれないから、車を預ける必要が出てくるかも。
とりあえず、私の勝手な論理的基準が正しいことを願って、そして、配線じゃないかという私のただの勘が当たっていることを願って、修理を覚悟の上でレンタカー屋のお兄ちゃんに電話をしてみよう。
ぷるるるるるる。
私 「Junkoだけど」
お兄ちゃん 「ハロー Junko、車はどうだい?ドライブは快適かい?」
私 「全然快適じゃないよね。クラクションが鳴らないんだよね」
お兄ちゃん 「鳴らないなんて!3日前はちゃんと鳴ったんだよ!」
嘘だよねきっと。
3日前も30日前もチェックしていないに違いない。
私 「今動物園へ行って出たところなんだけど、初めて気が付いたの。過去2日間クラクションを鳴らさなかったから」
他の車があるかどうか聞いて「ないよ」と言われたからか、最初からないものとしてこの車を直そうと思ったのか忘れたけど、その後はこう続いた。
私 「どうするのこれ。すぐにでも何とかして。人の休暇をつぶさないで」
お兄ちゃん 「契約書に書いてあるメンテナンスに電話してごらんよ」
私 「何で私が電話するのよ。国際電話をかけてまで何で私から電話をするの。あなたが貸した故障車のために私が国際電話をかけるの?ついでに言うけど、無料だよなんて言っていたお勧めのシムカードは、全く無料じゃなくて、次の日の朝早速料金追加してくれってメッセージがきてたよ。だから私が使える携帯は、料金を追加していないから今日も日本の携帯だけです」
お兄ちゃん 「そんな・・。あの会社は無料なはずで・・・」
私 「シムカードはもういいから、車を何とかして」
お兄ちゃん 「大丈夫だよ。メンテナンスに電話して」
私 「だからさ、何で私なのよ。自分でメンテナンスに電話して、事情を説明してここに来させるとかなんとかしてよ。私が電話して、待たされた後に車の番号やら契約番号やら伝えて、今いる場所を教えたあげくに、〇〇に行って下さいなんて言われても困るんだよね」
とか何とか、どうしてもメンテナンスのためにコールセンターに電話をしたくなかったので、色々と言ったのです。想像しただけでも嫌だった。
まず、コールセンターで音声を聞いて繋ぎたい番号を選択して、大分待たされて誰かが電話に出て、契約番号やら車の番号やら言って、事情を説明して・・・と、長い時間をかけた上に、じゃあそれで、メンテがここまで本当に来てくれるのかというのも疑問だった。来るとしても、更に1時間以上は待たされる。自分から行くとしたなら、その間は整備不良車で走行することになり、しかも場所がすぐ分からないかもしれない(ナビ次第)から、時間がかかるかもしれない。
でも、拒絶して良かった。
この記事を書く前に英語の契約書を読んでみたけど、メンテナンスの番号など書いていなかった。本社の番号とFAXだけ。もしかしたらパンフか何かをもらっていてそこに書いてあったのかもしれないから、この点は大して責めずにおくけれど。
私 「メンテナンスに電話してよね」
お兄ちゃん 「わかったわかった」
私 「すぐにかけてね。10分以内にかけ直させてね。電話がつながらなかったらあなたがかけてきて」
お兄ちゃん 「わかったよ。すぐかけるよ」
私 「こんな車に乗ってるの、嫌ですからね。大体この車で走るの違法でしょう」
お兄ちゃん 「大丈夫だよ。気にしないで(It's OK. Never Mind)」
またか。
私 「気にするよね(I DO. I BLOODY DO)。 何を言ってるの?何を自分から気にするなとか言ってるの?そっちの言うセリフじゃないでしょうが!」
「ブラディ」とかつけるの、滅多にない。「ファッキング」は教育レベル低そうなのでもっと使わないけど、イギリスでは頻繁にブラディが使われるし、ファックよりも弱いのでたまに使うことはあるけれど、それでもあまり使ったことがなかった。
因みに、このページで英語の大文字を使ったのは、怒っていたことを表現するためです。書いた文字で強調を表現したい時は、大文字が使われます。もらった方は非常に不愉快ですので、メールなどで滅多やたらに大文字で文章を書かないようにしましょう。本当に友情に亀裂が入るほど頭にくることもあるので。
意味が分かったのか分からなかったのか分からないお兄ちゃんとは、とりあえずメンテに電話をかけさせるということで電話を切った。
だけど私は思った。
ここで待っていてどうするのだと。
3分ぐらい待ってみた。
そして、電話はかかってこないだろうなと思った。
でも、結局10分ぐらい待ってみた。
そしてそのうち、「絶対にかけてこないだろうな」という確信が湧いてきた。
だからこちらから又彼の携帯に電話をしてみようかなと思ったけれど、もっと確信を持って思った。
あの子、電話したら絶対に逃げるよ。
絶対電話に出ないはずだ。
じゃあ、どうする?
ここはどこ?
動物園。
レンタカー屋はどこ?
空港付近。
どのぐらいの距離?
ここから約1時間。
行っちゃおうよ。
そしたら逃げられないから。
「何かあったらその場で処理しろ」がルールだし。
問題は、
① レンタカー屋に彼がいなかったらどうするか → それはそれで仕方がない。いる方にかけるしかない。
② 空港に着く前に無事電話があって、動物園へメンテが向かっているということだったらどうするか → そしたら空港に方向を変えてと言ってみればいい。ダメなら動物園へ戻ればいい。
③ 整備不良の車で走るのか → そこは仕方がない。おそらく、空港へ行ってしまうのが一番被害が少なくて済むやり方なはずだ。
そして、「空港付近にアウトレットあったよね。どうせあそこに行こうと思っていたのだから、お兄ちゃんがいなかったらそのアウトレットに買い物でも行けばいいよ」という点もプラスした。
何としてでも今日中に直させて旅行を続けなくてはいけない。
あの子は逃げるから、電話なんかじゃ絶対にダメ。
よし、じゃあ行くか。
15時過ぎぐらいだったかな。
クラクションが鳴らない車を飛ばして、空港へ向かいました。