チェックインの詳細な記憶はないけれど、外に出てはいけないようなことを言われたのは覚えています。
そう言われても、お昼を食べに行きたかったので、すぐ外出。
ホテルの前の道を渡り、
少し歩いたところに、飲み物とホットドッグぐらいだったけど、カフェみたいなお店を発見しました。中にテーブルがあったから、そこでランチにした。
非常に質素なランチである。一応温めてはもらったと思う。
静かに一人で食べていたけど、みんなに「じーっと見られている感」がたまらなかった。
外国人。
女性。
一人。
ホットドッグを食べている(ソレハカンケイナイカモ)。
視線を受けていることに気が付いていますよ的に、全員に向かってにこやかに笑いかけてみた。
でも、やっぱりじーっと見ている。
特に気にせずホットドッグをほおばったら、
まずい。
ソーセージがしんなりしていてまずい。
何だこれは。
でも、まだじーっと見られている。見ているのはまずいソーセージではなく、私だと思う。
そのうち、その中の男性1人が私のところへやってきて、私の目の前に座りました。
男性 「何してるの?」
私 「お昼だよ。さっきゴロカについたの」
男性 「一人なの?」
私 「いつも一人だよ」
男性 「ホテルどこ?」
私 「すぐそこのバードオブパラダイスだよ」
男性 「危ないからホテルへ帰りな。送っていくから」
私 「何で危ないの?いいよホテルすぐそこだもん。一人で帰れるよ」
男性 「一人じゃ危ないよ。送って行ってあげるから」
そこで私、もしかして・・・、と思う。
私 「それで、送って行くからいくら払えっていうの?」
男性 「お金なんかいらないよ。危ないから送っていくんだ」
え。
送迎代目当てだと思ったのよ。ホテル、本当に目と鼻の先だったから。それなのに送って行くって言うんだもの。
ホテルを出て数十分も経たないのに無料で送ろうとするこの男性に会って、本当にパプアは危ないのかなと思った。
その後も、何か知らんが、ホットドッグを食べ終わってもとにかく帰りなさいという感じで心配されて、そんないい人に逆らうのも失礼なため、仕方がないので素直にホテルへ送ってもらうことにした。
そして、送ってくれた彼は、本当に一銭も請求しませんでした。
ホテルの入口で別れた私、考え込んでしまった。
何が危ないのだろう・・・。
本当にそんな雰囲気ではなかった。「危険」とは違う空気だった。
それなのに、こんなに心配されるのはどうしてだろう。
パプアニューギニアは人肉を一番最近まで食していた国だけど、私が食べられるとも思えない。大体、決しておいしくはないと思う。
ホテルへ戻り、フロントの女性に、「危ないと言われたんだけど、これは私が女性だからか、首からカメラをさげてるからか」と聞いてみたら、「女性だからかな」と答えられました。
そうか、じゃあ、男性がいればいいのね。
一人で外出しても地元の人に心配されて止められるようでは何もできないし、かと言って、優しく言ってくれている地元の人を無視するような扱いはしたくない。
お金目当てではない以上は、失礼なことはしたくないよ。
そういうわけで、男性がいればいいということで、上のレストランへ上がると、丁度いいところに、いやいや、1人でのんびりとビールを飲んでいる男性がいました。
よし。
私 「何してるの?」
彼 「ビール飲んでるんだ」
私 「一人旅?」
彼 「そうだよ」
私 「女性一人じゃ危ないから外に出ないようにって言われたんだけど、せめてマーケットぐらい行きたいからちょっとついてきてくれない?」
彼 「いいよ」
ラッキー。ありがとう、何とか君。名前忘れちゃったよごめんね。でも、カナダ人だったのは覚えています。
パプアにはもう私より何日も前からいたみたい。このホテルに宿泊しているのではなくて、近くのユースホステルにいたみたいだったけど、お酒を飲む場所が他にないからこのホテルまで来ていたらしいです。
そして、彼と一緒にマーケットまでお散歩することになりました。
彼に「カメラを隠した方がいいよ」と言われて隠していたので写真がないけれど、マーケットまで歩く途中、現地の人に何度も声をかけられました。みんなみんな声をかけてきました。
天真爛漫という感じで、元気で純粋だった。
多分、それが全てで、それだけだったと思う。私に元気をくれた源は。
2人で少しマーケットにいたけれど、写真も撮れなかったし、面白くなかった。
しかも、1人じゃないから現地の人と話し込むこともできなかった。誘っておいて彼を放っておくのは失礼だもの。
結局、一緒に一周回る感じで散歩をして戻ってきました。短いショッピングだったな。